日本や他国の免許証を既に取得・保持しているに関わらず、イリノイ州で運転免許証を取得するには、必要書類を用意の上、DMV(Department of Motor Vehicles）を訪問して、学科テスト、視力検査、そして路上テストに合格しなければ取得できません。
ドイツでは日本の免許証を保持している場合、必要書類を用意すれば、学科テストと路上テストは免除され、ドイツの運転免許証を発行してもらえたので、改めて学科テストと路上テストを受けなければならないと思うと、う～あ～と思わず呻きそうになります。
でも、アメリカならではの交通ルールをおさえることの大切さ、IDとしても使えること（REAL ID）として、とても便利で大切な運転免許証。
移動が便利なシカゴ街中と比べて、車での移動が主となるシカゴ郊外での暮らしには、自動車免許は欠かせないものです。
凹んでいる場合じゃない～～と気合いを入れて取得することにしました。
免許証の取得は、住み初めてから９０日以内が期限ですので、必要書類のなかには揃えるのに時間がかかるものもあります。
なるべくお早めに取りかかられることをおすすめします。
１．イリノイ州の運転免許取得までの流れ
１）運転免許証の種類を決める
①Standard Driver’s LicenseあるいはREAL ID Driver’s License
イリノイ州では、2020年10月、2023年5月3日、2025年5月7日まで、従来のStandard Driver’s Licenseまたは、REAL ID Driver’s Licenseのどちらかの運転免許証を選択することができるようになっています。
U.S. Department of Homeland Security extended the REAL ID deadline to May 3, 2023. Current Illinois driver’s licenses or ID cards will continue to be accepted at airports, military bases and secure federal facilities until May 3, 2023.
またREAL IDの発効期限を、U.S. Department of Homeland Securityは、2021年10月1日、2023年5月3日、2025年5月7日まで延長しました。そのため、現在のイリノイ州発行のStandard Driver’s Licenseは、2025年5月7日まではアメリカ国内の搭乗手続きの際に、パスポート代わりとして、身分証明書として使用できます。
Standard Driver’s Licenseまたは、REAL IDのどちらの免許証でも、免許証新規取得・更新料金は同じです。ほかに、Restricted Local Drivers License、 Temporary Visitor Driver’s License（略称TVDL。Social Security cardを取得できない方向け）などの免許の種類があります。
REAL IDについての詳細な説明は、こちら Outbound link 
https://realid.ilsos.gov/まで。
Standard Driver’s LicenseまたはREAL IDの詳細や選択基準がありますので、ご都合にあわせて選択ください。
②DMV
DMVとは”a department of motor vehicles”、運転免許証の発行と更新を取り扱う政府の役所を指します。
すべてのDMVがすべての免許証業務を取り扱っているわけではなく、DMVによって取り扱っていない免許証業務もあるので、訪れる前に、自分が新規取得あるいは更新する免許証の種類が取り扱われているかどうか、施設検索で、該当施設をチェックしておきましょう。
イリノイ州のDMV全般についての公式サイトはこちら→https://www.cyberdriveillinois.com/
イリノイ州の運転免許証の新規取得、更新、REAL ID等の施設検索はこちらOutbound link Secretary of State Facility Finder https://www.ilsos.gov/facilityfinder/facility
お住まいの郵便番号で最寄りの施設を検索できます。
③DMVの予約が必要に/2022年3月更新
一週間前から予約が必要（オンライン予約）なDMVもありますが、日本人の利用者が多いSchaumburg DMVなどほとんどの一般的なDMVでは予約はいりません。いつの間にか2022年以降気が付いたら、エリア管轄の取りまとめ的なDMVだけでなく一般的なDMVでも、訪問にはオンライン予約が必要となっていました。以前は施設の外に数時間かけて並んだりしていたので、随分楽になりました。COVID-19パンデミックにより一時閉鎖されたり、何らかの変更が入る可能性があるので、訪れる前に確認されることをおすすめします。
前述のFacility Finderで最寄施設を検索すると、施設の詳細が表示されます。そして予約が必要な対象者、施設への行き方、取扱い業務、営業時間などを確認することができます。
例）
施設予約システムは、他の施設と共有システムです。上の赤色枠内にある”Schedule an appointment”のリンク先で施設予約が可能です。
Standard Driver’s LicenseはDMV を訪れることなくオンライン上で更新手続きが可能ですが、REAL ID の新規取得・更新する場合はDMVを訪れなければいけません。REAL ID を新規取得・更新を希望する場合は、青色ボタン”Make a Secretary of State Facility Appointment” に進みます。
引用：Office of the Secretary of State official Website Official Website
次の画面が、施設予約のHome画面になります。空きがなければ繰り返しHome画面に戻り、予約枠を探すことになるので、Home画面WebページのURLをパソコンや携帯に登録（ブックマーク）しておくと便利です。
REAL ID の新規取得・更新をはじめ、何らかの手続きのために施設予約をとりたいなら、右の青色ボタン”License and ID Card Services”へ進み、Appointment Type →Office →Date and Time→Customer Information →Confirmation の順番に進み、予約が完了します。予約登録するには、自分のメールと電話番号が必要ですので、準備しておきましょう。
Appointments Home
予約をキャンセルしたい場合は、”Cancel or Review Appointoment” でいつでもキャンセル可能です。
予約の数時間前に、登録した電話番号宛にSMSでMassagesが届きます。キャンセルも同様です。当日施設を訪れる際に、予約確認のためにSMSを見せたり、電話番号を口頭で伝えるので、携帯を持参しましょう。
２）自動車免許の必要書類とは
免許証の種類によって、必要書類が変わります。変更の可能性もありますので、事前にイリノイ州の公式サイトにてご確認ください。REAL IDの場合は、イリノイ州公式サイトhttps://realid.ilsos.gov/のページ内下部にあるREAL ID Document Checklist – Acceptable Documents of Identificationで必要書類をチェックできます。
必要書類は４項目。
引用：REALID.ilsos.gov Official Website
GROUP１は”Foreign passport with a valid U.S. visa affixed accompanied by the approved Form I-94 documenting the applicant’s most recent admittance to the United States“を、 GROUP２はSocial Security cardを準備しました。
Social Security cardを取得するには、US Social Security Administrationへ行き、必要書類をそろえて申請する必要があります。取得には、約２週間ほどかかり、自宅に郵送されてきます。
Form I-94は、Homeland Security（アメリカ合衆国国土安全保障省）の公式ウェブサイトから印刷できます。Outbound link https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home を訪れたら、’Get Most Recent I-94’タブをクリックして、必要事項を入力し、印刷して持参しましょう。
時にあるのですが、公式サイトに表示されるForm I-94の内容が数か月経ても更新されていないことがあります。
少し厄介な点は、更新されていないのか、情報が非公開のままなのかの判断がつかないところ。
もし”Admit Until Date”が更新されていない等、明らかに更新が必要となる場合は、U.S. Customs and Border Protectionの公式サイトhttps://help.cbp.gov/s/questions?language=en_USから手続きを申請することができます。
本人手続き以外に、会社が契約している弁護士事務所を通して手続きを申請することも可能です。
“Admit Until Date”が更新されていないと、アメリカ滞在期間に影響したり、REAL ID免許証の更新ができなかったりします(standard cardの更新は可能）。
ところがI-94のTravel History functionはan official recordではないため、CBPが保有する公式記録がすべて反映されているわけではありません。更新されていないのではなく情報非公開のままという事例があります。
情報非公開の場合においては、CBPの公式サイトにて更新の手続きを申請するのではなく、CBPのFOIAに情報公開の手続きを申請しなければなりません。
アメリカ滞在にとても大切な I-94なので、アメリカの入国審査を通過したらなるべくすぐ早めに記載事項を確認されることをおすすめします。
続いてGROUP３。
引用：REALID.ilsos.gov Official Website
Deed, mortgage or rental/lease agreement、Insurance policy (homeowner’s or renter’s)など上記の中から２種類準備します。住所がすべて記載されている書類が必要です。
Bank statementは、口座がある銀行へ行けば、その場で発行してもらえます。
最後にGROUP４から１種類。Foreign passportを準備しました。
引用：REALID.ilsos.gov Official Website
３）学科テストの対策をする
必要書類をそろえる準備をしている間に、学科試験の対策をします。イリノイ州の公式サイトhttps://www.cyberdriveillinois.com/publications/motorist/rorts.htmlを開くと、イリノイ州交通ルールと問題例が掲載されています。
イリノイ州の交通ルール：Illinois Rules of the Road
筆記テスト対策、練習問題：Rules of the Road Review Course Workbook
Illinois Rules of the Roadを読み、Rules of the Road Review Course Workbookの練習問題をしっかりと解けるようにしておけば、満点での合格も可能かと。ｐ８からｐ１９を繰り返し習得しておきましょう。
４）DMV(Department of Motor Vehicles）での流れ
必要書類がそろい、テスト対策も済んだら、早速DMVへ免許証の申請へ向かいます。
取得したい免許証の種類に応じて、該当するDMVへ。平日のみの営業、あるいは土曜は午前中のみの営業等、DMVにより開いている時間帯が異なる場合があるためご注意ください。
特に土曜日に開いているDMVは、人が殺到するので大変混雑します。
イリノイ州の運転免許証の取得、更新、REAL ID申請受付等の施設検索はこちら→Secretary of State Facility Finder ページ内 https://www.ilsos.gov/facilityfinder/facility
郵便番号で検索できます。
営業時間によっては路上テストを受けれないこともあるそうなので、なるべく早い時間帯にDMVを訪れることをおすすめします。
（例）Schaumburg DMVでの流れ
- 窓口で必要な書類がそろっているかのチェックを受け、番号札をもらいます。路上テストも受ける予定なら、車両保険の書類も準備しておきます。
- 写真撮影
- 番号が呼ばれる＆番号が掲示板に表示されるまで、待合フロアで待ちます。DMVによっては、３０分から１時間以上待つこともあります。
- 番号が来たら、カウンターへ。必要書類を提出し、国際免許証、ドイツの免許証等必要なら提示しておきます。学科＆路上テストを受ける必要があるのかどうか、コンタクトあるいは眼鏡を着用しているかどうか、薬物や精神異常など身体に異常はないか、犯罪歴の有無、軍関係者か否か等を確認されました。自分の身長と体重をフィートとポンドで記載する箇所がある、あるいは尋ねられるので、事前にフィートとポンドで答えられるよう換算して準備しておけば安心です。必要書類が揃っていることを確認されOKを貰えたら、係員の指示のもと、視力検査をします。カウンターに置いてある機械をのぞきこみ、読み上げます。書類に目を通し、記載事項に間違いが無ければ署名をして、終了。
- 会計へ。ちなみにクレジットカードではなく、現金で支払うと手数料の＄１が割引されます。
- 学科テスト。会計横のパソコンで、タッチパネル式の試験を受けます。時間は無制限。スペイン語と英語を選べます。荷物はパソコンの上に置くように指示されます。タッチパネルを触れると、画面が点灯します。一問ずつの採点方式で、合格点数に達したところで終了となります。あと何問で合格だよ～と画面内に表示されるので、回答する毎に緊張が･･･。ドキドキ。交通標識が表示されその際の運転手の最適行動を選択させる問題に、ひっかけ問題らしきものもありましたが、既に日本や海外の運転免許を保有の方で、学科対策をしっかりされてきた方なら、じゅうぶん全問正解が可能です。学科テストが終了したら、会計の係員に終了した旨を告げると、合格した場合は路上テストに進めます。建物の裏手に、路上テストの待機エリアがありますので、路上テストで使用する車を自分で運転し、待機エリアに停車し、試験官を待ちます。
- 路上テスト。待機エリアで車を二列に停めて運転席で試験官を待ちます。しばらくすると、試験官がやってきます。笑顔で挨拶をかわし、書類を運転席側の窓から手渡し、試験官が確認後、続けて試験官が乗車前にヘッドライト、ブレーキランプ、方向指示器、クラクションが正常に作動するかどうかの確認をします。確認後、試験官は助手席に座ります。試験官がシートベルトを着用するのを確認してから、路上へ。試験官の指示通りに運転します。縦列駐車、さらにバック運転しながら右折しつつ縦列駐車、HILL PARKINGを想定しての駐車、車列変更そして大通りへの進入など、「Rules of the Road Review Course Workbook」に記載されていた内容でした。一時停止の際は、心の中で３秒唱えて停止しつつ周囲の安全を確認するなど、制限速度に気をつけ、かなり慎重な運転を心がけました。DMVへ戻り、指定された駐車スペースに車をとめて恐る恐る試験官の方へ顔を向けると、「合格だよ」と。幸運なことに、一回で合格することができ、ほっと一安心。
試験官とともに、車を降りて、DMVの建物に裏手から入ります。会計横のスペースで、試験官から、印刷された仮の運転免許証（３ヶ月間有効）を受け取り、本日は終了！！１～２週間程度で、運転免許証が自宅に郵送されます。
５）追記 COVID-19影響下での待ち時間について ２０２０年８月
８月中旬、下の娘のlearner’s permit取得のために、Lake ZurichにあるLake Zurich Illinois Secretary of State Facilityを訪れました。コロナの影響下、DMVはかなり混雑しているとのことで、早めの到着を目指します。金曜日の朝７：０５頃に到着しましたが、それでも既に建物の裏手にまで長い列ができていて、みな静かに並び続け、ようやく建物の入り口前に進んだのは１０：１０頃。DMVは７：３０オープンですが、もっと早く訪れるべきでした･･･。朝眠いとか言ってる場合じゃなかった･･･。
駐車台数は敷地が広いので余裕があります。折りたたみチェアやレジャーシート持参の姿も多く、外で並ぶ待ち時間が楽になります。暑い時期には飲料水もお忘れなく。建物内は、３０人くらいしか入れません。social distancingを守り、長い長い列でしたが、娘の話によると一旦建物内に入ると、さくさく処理されていくようです。この時期、子どものa Learners’ Permit(for Driver Education)取得のために並んでいる親子が多くいましたが、入館が３０人と制限されているため建物内に親は入れません。親は屋外や車内で待ちます。近くのカフェに向かう親もいますが、何か質問や疑問が生じた場合には親が呼ばれるのですぐに戻ってこれる場所で待機する親がほとんどでした。
屋外に並ぶ列にスタッフが何度も巡回し、路上テストの人を列から別に連れ出したり、入り口からまだ距離があるところで書類が揃っているか前もって確認してくれ番号札を渡してくれます。
２．DMVでの免許証更新について
１）REAL IDを新規あるいは更新する場合は、DMVを訪れる必要あり
REAL IDではなく標準免許証（a standard card）の場合は、オンライン更新プロセスの対象となる可能性があります。REAL IDを選択し、新規あるいは更新する場合は、DMVを訪れる必要があります。→2022年3月時点において：DMVを訪れるには予約が必要です。詳細は前述の「③DMVの予約が必要に」をご覧ください。
２）COVID-１９パンデミック影響における免許証更新について（2021年1月時点）
covid-19により2020年秋から2021年1月4日までDMVは閉鎖されていましたが、2021年1月5日から再開されています。一部免許を除き、有効期限が2020年1月1日から2022年7月31日までのイリノイ州の運転免許証の期限が2021年6月1日2022年7月31日まで延長されています。
REAL IDの更新のため、少しでも天候が良さそうな１月１３日にLake Zurich Illinois Secretary of State Facilityを訪れました。
DMVの営業は朝７：３０から開始です。朝６：４５に到着したところ、既に入り口では営業前にも関わらずスタッフが待機していました。
入り口にて必要書類が揃っているかをざっとスタッフが確認し、整理券をもらい、スタッフの案内するQRコードを自分の携帯でスキャンし、同日の予約をとります。
この段階で必要なのは、携帯と準備した必要書類。６：４５AMの到着で、９：５０AMの予約がとれました。去年の夏に同じDMVで３時間も並んだことに比べると、何らかの変更がまた入るかもしれませんが、極寒空の下で長時間並ぶ必要もなく、とても有り難いシステムです。
駐車場に停めた車内で暖を取る姿を見かけましたが、さらに早い時間から整理券をとりにきている方もいるようです。予約が完了すると、すぐに予約が完了した旨のSMが携帯に届きます。
ちなみにQRコードを読み取るアプリは必要ありません。iphoneの場合は、カメラを起動し、読み取ったQRコードをSafariで開くだけ。Androidの場合も同様にQRコードを読み取るアプリをダウンロードする必要はなく、カメラを起動し、「その他」をポイントするか左にスワイプしてGoogleレンズに切り替えて、読み取ったウェブサイトを開くと、予約画面に辿り着けます。入り口に待機しているスタッフさんは、QRコードの読み取りから予約の完了まで、親切に案内してくれました。
予約時間の１０分前には到着することが求められています。遅刻すると予約は取り消しとなりますので、時間に余裕を持ってお越しください。
９：４０AMに再び到着。入り口前に数名の列ができていますが、整理券と予約時間の確認後、並ぶ必要はなく、DMVの建物内に案内されます。予約時間の１０分前から入場できました。建物内では、全員マスク着用、6フィートのSocial distancingを保ちながら列に並びます。受付で必要書類の確認と整理券のチェック後、写真撮影がありました。次に、学科試験が必要な方は学科エリアへ、必要ない方は整理番号が呼ばれるまで奥のスペースで待ちます。更新のため、学科は不要でした。整理番号が表示されると、表示された窓口番号へ向かい、更新手続きが開始されます。必要書類の確認をはじめ、質問事項に答えます。すでにイリノイ州での免許を保有されている方で対象者は、DMVを訪れる前に公式サイトhttps://www.cyberdriveillinois.com/home.htmlで「DL/State ID Renewal Preregistration（事前登録）」Outbound link （https://www.ilsos.gov/departments/drivers/drivers_license/drivers_license_or_id_card_preregistration/home.html）しておくと手続きが効率化される可能性があります。免許証の発行を保証するものではありませんが、窓口で必要とされる項目や質問事項をあらかじめ文書化できます。
窓口での手続きが無事完了し、最後に署名をしたら、あとは会計をして、紙に印刷された仮免許証を受け取って終了です！会計ではクレジットカード決済が可能ですが手数料１ドルがとられます。REAL ID更新料金は３０ドルなので合計３１ドルになりました。本免許証は後日自宅住所に郵送されてきます。以前の本免許証には穴開けパンチされました･･･、パンチされた免許証、何だか少し悲しい。
建物内に入ってから、全ての手続きを終えて車内に戻ると１０：２７AM。およそREAL ID 更新手続きの所要時間は５０分でした。
３）COVID-１９パンデミック影響における免許証更新について（2022年3月時点）
変更点→→2022年3月時点において：DMVを訪れるには予約が必要です。詳細は前述の「③DMVの予約が必要に」をご覧ください。