主な交通手段が水上であるヴェネツイアでは、観光向けゴンドラ、移動手段としての水上フェリー、水上バス、そして水上タクシーが重宝されています。ヴェネツィアの街自体は小さいため、街の中を観光するには時には意外に徒歩が水上バスと同じ所要時間だったりすることも。観光時には歩きやすい靴がおすすめです。
1. ゴンドラ GONDOLA
ヴェネツィアの観光シーズンは、春(4~6月)と秋(9~10月)、そしてカーニバルの時期です。ハイシーズン時には、観光客で大変混雑するので、もし逃したくない観光やアトラクションがある場合はなるべく事前予約をおすすめします。ゴンドラならではのヴェネツィアの歴史・情緒あふれる景色を目にすることができます。
1)ゴンドラの乗り方
ヴェネツィアの街には、あちらこちらでSERVIZIO GONDOLA(ゴンドラ乗り場:gondola service)があります。手の空いたゴンドリエーレ(ゴンドラの船頭、女性ならゴンドリエーラ)が呼び込みをしていることも。ハイシーズン時には、いっぱいで乗れないこともあるとか。
各ゴンドラ乗り場には、料金表とコースが掲示してあり、それを見比べると大体の相場が把握できます。コースと時間により、4月時点で、ほぼ€80~€110くらいでした。12:30~14:00はお昼休憩になります。
予約する場合は、ホテルコンシェルジュや旅行会社サイトから申し込みをします。たとえば、https://www.veniceingondola.com/en/gondolas
http://www.gondolaserenade.com/
があります。ゴンドラ・セレナーデは、ゴンドラに乗りながらイタリア歌謡を聴くことができるツアーの手配が可能です。ゴンドリエーレ全員が歌いながら漕ぐわけではなく、プロの歌手がゴンドラに乗船してカンツォーネを歌います。
サン・マルコ広場近くの2カ所のゴンドラ乗り場とHotel Monaco & Grand Canal近くの2カ所のゴンドラ乗り場の計4カ所は、徒歩圏内なので比較検討しやすいです。混雑具合、ゴンドリエーレの空き状況によりますが、公式料金ではなく値交渉や追加サービスに応じてくれる場合もあります。
無事リアルト橋を含むコースでゴンドリエーレとの交渉がまとまり、さぁ、ゴンドラへ。横にひっくり返ったら、どうしよう・・・と、ふと不安がよぎります(´・ω・`)。でも、大丈夫!ゴンドリエーレがしっかり支えてくれるので、乗船指示に従って乗れば安心です。慣れないうちは、そろそろと身動きする私。ゴンドリエーレの指示のもと、座席に座り、準備完了。それでは、出発!😊
2)ゴンドラクルーズ
ゴンドラのコースは、色々あります。今回は、Grand Canal始点に、SAN MARCOの街中を巡り、リアルト橋を経て、再びSAN MARCO、Grand Canal終点に戻るクルーズです。ゴンドラは乗り場に前向きで停泊しているので、まずは少し逆向きで進んでからゆっくり反時計回りに半回転し、向きを前に直して進みます。ゴンドリエーレは、穏やかな話しぶりの男性です。
美しいサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂が左手に見えます。
Grand Canal からすぐモイゼ川(rio di San Moisè)へ入ります。
Gondola Bauerのゴンドラ乗り場とSan Moisè橋。
San Moisèは、バロック様式のローマカトリック教会です。モーゼに捧げられるべく8世紀に建てられました。
Rio de I’Barcaroliへ。
この付近は、ゴンドラが数珠つなぎになりがちだそうです。なぜなら・・・
Grand Canalに入る直前のため!ちょうどリアルト橋の手前に出てきます。
行き交う水上バスに、ボートに、合間を縫うゴンドラと、大賑わいのGrand Canal。リアルト橋を眺めた後、
リアルト橋の手前で、ゴンドラはUターン。
Palazzo LoredanとCa’ Farsetti
ヴェネツィア検事総長検事局を曲がり、再び、SAN MARCOの街中へ入ります。
往路に合流。
前方にGrand Canalが見えてきました。
Grand Canalにゴンドラが進行した途端に波が荒くなりゴンドラが揺れますが、それを上回る開放感に包まれます。サンタ・マリア・デッラ・プレゼンタツィオーネ教会に、遠目にはサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂、そして広大なラグーンとGrand Canalが目の前に広がります。いよいよ、名残惜しいですがゴンドラツアーも終点です。
2.ヴェネツィアの水上フェリー、水上バスの乗り方
主な交通手段が水上交通機関であるヴェネツィアでは、水上フェリー、水上バスそして水上タクシーが陸のバスやタクシーと同じ役割を果たしています。ALILAGUNAあるいはACTVが水上交通機関を運営しています。ACTVが運行する水上バスのうちLINE1とLINE2はVAPORETTO(ヴァポレット)と呼ばれていて、ヴァポレットとその他の水上バスMotoscafo、Motonave等は、ACTVにより24時間運行されています。
1)ALILAGUNA
Venice Marco Polo Airportからヴェネチア本島へは、公共交通機関のAlilaguna(水上バス)が便利です。空港からサンマルコ広場などの本島へはLINEA ROSSA(4月下旬~11月運行)ハイシーズン時)あるいはLINEA BLUで行くことができます。LINEA BLUだとサンマルコ広場は9駅目、LINEA ROSSAだと5駅目になります。
LINEA BLU MAP
空港の桟橋。
片道€15、公式サイトにてオンライン購入すると€1割引になります。現地チケットブースは、Airport Marco Polo – Arrival Hall、Airport Marco Polo – Moving Walkway Departures、Airport Marco Polo – Dockyard、San Marco c/o embarkation area Alilaguna ACTV各要所に設置されています。
Alilagunaの公式サイトはこちら→https://www.alilaguna.it/en
2)VAPORETTO(ヴァポレット)、水上バス
LINE1は、「the Venezia Santa Lucia Railroad Station」、「リアルト橋」、「Piazza San Marco(サンマルコ広場)」、そして「リドLido (S.M.E.)」 の主要な観光要所を結びます。ローマ広場あるいはヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅からサンマルコ広場までは約45分ほど、Grand Canal沿いの景色を一通り眺めることができ、観光客に人気の路線です。
ヴァポレットの停留所は、黄色のラインで縁取りがされている白色の浮き駅なので、すぐにわかります。サンマルコ広場など複数のLINEが集まっている場合は、ボート番号と行き先表示を見て確認しましょう。
①ヴァポレットの料金、チケットの購入
ヴァポレットは、シングルチケットを購入する以外に、Tourist Travel Cards、Venezia Unica city pass (tourist version)、the Venezia Unica city pass (long-term version)を利用することもできます。旅程に応じて、ご準備ください。One way/Single Ticket : 75 minは€7.50と高値です。これは観光客向けの値段で、住民は別に料金設定が設けられています。ただヴェネツィアの街自体は小さな街なので、観光地を巡るには徒歩でも可能で、ヴァポレットが必須の交通手段というわけではありません。ハイシーズン時にはヴァポレットの乗船待ちの長い列ができてしまい、所要時間が徒歩の方が早いこともあり得ます。Lidoに宿泊している場合やMURANO島など離島へ行く場合には、ヴァポレット、ALILAGUNA、水上タクシーを利用します。
チケットは、ACTVチケットブース、券売機、Tabacchiで乗船前に購入できます。乗船後に船員から購入も可能ですが、とても混雑している場合に船員からなかなか購入できずに検札官に無賃乗車と見なされ罰金を課される恐れもあるので、乗船前に購入しておきましょう。
Venezia Unica city passは、公式サイト『https://www.veneziaunica.it/en/e-commerce/services』にて事前オンライン購入ができます。
ACTV水上交通機関の地図は、Venezia UNICA公式サイトhttp://actv.avmspa.it/itからダウンロードが可能です。PUBLIC TRANSPORT IN VENICEのOFFER DETAILSを開くと下の方に「DOWNLOAD Waterborne Routes Map」があります。
Waterborne Routes Map
②ヴァポレットの乗船方法
ACTVの各停留所にある白いチケットリーダーに、チケットをかざし、あるいはカードの種類に応じてスワイプし、有効にします。緑色のライトが点灯し、ビーという音が鳴るとOKです。音が鳴らないとチケットは無効のまま。有効のチケットを保持し、水上バスの到着を待ちます。
水上バスが到着したら、船員の乗車OK指示が出るまで、待ちましょう。降りる乗客が済み、乗船する住民の優先後、最後に観光客が乗船できます。検札官にチケットの提示を求められる以外に、チケットを船員に見せる機会はないので、下船するまでチケットは大切にしまっておきます。
ハイシーズン時には、各停留所で乗船するまで長い列が生じ、乗船したら船内は身動きが難しいほどの混雑具合で運河沿いを観光する余裕がない可能性もあります。船尾にある屋外座席(古いタイプは船首にあります)は、運河沿いの景色を眺めるベストシートです。「P.le Roma(ローマ広場)」停留所のように始発の停留所だと、屋外座席に座れる可能性が高くなります。
リアルト橋をくぐるヴァポレット。
Ponte dell’Accademia
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂が見えてきました。そろそろサンマルコ広場に到着です。
3.ヴェネツィアの水上タクシー
水上交通が主な交通手段であるヴェネツィアでは、水上フェリー、水上バス、水上タクシーが重宝されていますが、このうち最も速く楽なのが水上タクシーです。最も料金が高くなりますが、利用人数で割れること、また時間短縮や利便性の高さを考えると、時にはとてもお得になることも。革張りのプライベートキャビンに、開放感のあるオープンエアの船尾席、青空の下、アドリア海や運河を高速で駆け抜ける開放感はとても爽快感に包まれます。
1)水上タクシーの乗り方
Aeroporto di Venezia-Marco Poloからヴェネツィア本島までは、€120くらいです。距離増、時間帯や荷物の追加により€50~70追加料金が跳ね上がることも。
①Consorzio Motoscafiで予約する
主なヴェネツィア水上タクシーの総合予約サイト。24時間ラグーン全域で利用できます。電話あるいはネットから予約ができます。すべてのボートが高度なGPSシステムによってオペレーションセンターに接続されていて、ヴェネツィアの水上タクシーを迅速・簡単・安全に利用することができます。
公式サイト→Outbound link https://www.motoscafivenezia.it/en/
CALL CENTER Central switchboard 24 H:From Monday to Friday 9:00-18:00
+39 041 240 6712 | +39 041 240 6746 | +39 366 825 6174
Saturday, Sunday, public holidays and from 18:00 to 9:00
+39 041 522 2303
②空港で予約する場合
空港の荷物受け取りや税関の出口の近くに、Public Transportation Ticketsブースがあります。「Speed Boat to Venice」窓口で、水上タクシーの申し込みをします。窓口で貰ったバウチャーに桟橋の番号が書いてあるので、その桟橋番号へ向かいます。空港からALILAGUNAや水上タクシーの桟橋へは少し距離がありますが、青色の『Trasporti via acqua / Water transport』看板の案内表示に従うと辿り着けます。
③宿泊ホテルで予約を依頼する
ホテルのフロントやコンシェルジュに水上タクシーの予約を依頼する場合には、予約を確定する前に見積もりをとるようにした方が良いでしょう。良心的なコンシェルジュなら無用の心配ですが、手数料が予想以上にかかるかもしれません。
2)水上タクシーの注意点
ボートの乗り降りに慣れない場合、満潮・干潮時の桟橋との高低差が大変な時もあります。また水上タクシーの運転手はボートから離れられないため、ホテルのポーターをはじめ手助けしてくれるスタッフがいないボート停留所での乗り降りは、荷物を含めて自力になります。
ホテルのフロントで水上タクシーの予約を依頼する場合には、予約を確定する前に見積もりをとるようにした方が良いでしょう。
3)水上タクシーからの眺め
ヴェネツィアの運河やアドリア海を高速で走り抜けます。ゴンドラや水上バスとは異なるルートを走ることも。ホテルに水上ボートや水上シャトルの停留所がある場合は、乗り降りがとても楽です。
海上の眺めを楽しんでいると、あっという間に空港に到着です。