「美食の都」として世界的に知られるリヨン。古代ローマ時代から続く歴史と文化を受け継ぐこの街は、フランス料理を語るうえで欠かせない存在です。
そのリヨン郊外に、フランス料理界の偉人ポール・ボキューズ氏が築いた本店「Restaurant Paul Bocuse」があります。
世界中の美食家が憧れる名店であり、現在も多くの人がその味と伝統を求めて訪れています。
今回は、実際にRestaurant Paul Bocuseを訪問した様子を中心に、Restaurant Paul Bocuseへのアクセス、華やかな店内の雰囲気、実際にいただいたおすすめのお料理を写真とともにご紹介します。
リヨン旅行やフランス滞在で、特別な一食を考えている方の参考になれば幸いです。
リヨン市内の観光スポットについては、別記事「リヨン観光の見どころ|世界遺産の旧市街とおすすめグルメスポット」でご紹介します。
1.ポール・ボキューズ本店へのアクセス
1)Restaurant Paul Bocuseへのアクセス
リヨンは、豊かな食材に恵まれたローヌ地方とブルゴーニュ地方の結節点に位置し、多くの名シェフを輩出してきました。その食文化を世界へ広めた人物の一人が、ポール・ボキューズ氏です。
フランス料理界の偉人として、尊敬を集めています。
ポール・ボキューズ本店”Restaurant Paul Bocuse”は、リヨン郊外にあります。
リヨンは、フランス南東部にあり、パリからはGare de Lyon発のTGV inOui で2時間4分 目安€115~、TGV OUIGOで1時間56分(non-stop) 目安€96~となります。
自動車の場合、パリからリヨンへはA6経由で約4時間~5時間ほどです。
Restaurant Paul Bocuse
40 Rue de la Plage, 69660 Collonges-au-Mont-d’Or
レストラン公式サイト https://bocuse.fr/
古くからのリヨン中心駅であるLyon-Perrache駅、あるいは新たに中心駅としてTGVが到着するLyon Part Dieu駅のどちらの駅からも、Restaurant Paul Bocuseへ向かう直通の公共交通機関はありません。
電車やバスに乗り継ぎとなるので、リヨン市内からタクシーや自家用車で向かう方がスムーズでしょう。
ちなみに、リヨン市公式サイトによるとLyon Part Dieu駅のタクシー乗り場は、Station de taxis, 3e (gare de la Part-Dieu, côté rue de la Villette)にあると記載されています。
リヨン市内から、たとえばLyon Part Dieu駅からRestaurant Paul Bocuseへ向かう場合、車では約20-25分 7.9kmかかります。
街中は交通渋滞の可能性があるので、中心地を迂回したり、早めに到着するよう時間に余裕をもって到着するようにすると万全です。
レストランには、無料の平置き屋外駐車場が併設されており、車でのアクセスも容易かつ安心です。
駐車場係が待機していて、駐車スペースを案内してくれます。
私たちは、パリから車で訪れていて、リヨンには2泊3日の旅程でした。
リヨン市内のホテルに宿泊し、Restaurant Paul Bocuseは二日目の昼に訪れました。

2)Restaurant Paul Bocuseの予約方法
①予約はRestaurant Paul Bocuse公式サイトで
Restaurant Paul Bocuseの予約は、レストラン公式サイト https://bocuse.fr/ から可能です。
予約にはデポジットが必要なので、クレジットカードを用意しておくとバッチリです。
Restaurant Paul Bocuseの営業時間は、水曜日から日曜日、12:00~13:15と20:00~21:15となっています。
食事の時間は、コース料理だとだいたい3時間くらいかかるかも。
②昼の部と夜の部どちらを選ぶ?
昼と夜のどちらに予約するか悩みましたが、
- Restaurant Paul Bocuseの主なシグネチャーメニューは、昼と夜どちらにもある
- 食事の所要時間は3時間くらいかかる可能性がある
- 夜は、特別感や非日常感が強まり、グランメゾンらしい雰囲気をいっそう体験できる。記念日やお祝いに相応しい。昼よりフォーマル。
- 昼は夜に比べるとリラックスした雰囲気。公式サイトで確認できるメニューからも、料理やサービスは夜と変わらず高いレベルを体験できる。
- 昼は、自然光の中で、建物、華やかな内装や料理を目で楽しめたり、写真撮影できる
- 昼は、食事の後、Collonges-au-Mont-d’Or周辺を散策したり、旧市街を観光したりできるので、食べ過ぎても大丈夫…と思うことができる
今回は、旅先での一日終わりの疲れや眠気の心配もなく、ゆったりとした雰囲気で何よりもお料理を堪能することを大切にしたい、午後の予定とすっきり組み合わせることができる、ということで、お昼の部に予約することにしました。
3)服装
Restaurant Paul Bocuseの公式ウェブサイトには、ドレスコードの指定はありませんが「For the sake of our customers and the restaurant’s elegant surroundings, please dress appropriately for your meal.」とあります。
実際に昼の部にRestaurant Paul Bocuseを訪れた際には、ダークスーツ、あるいはジャケット+ネクタイの男性、カクテルドレス、シックあるいは華やかなワンピースやパンツスーツという装いの女性を見かけました。
香水と口紅は薄めにされると、お料理を楽しめると思います。
2.おすすめ料理
1)スペシャリテ、メニュー概要、雰囲気
Restaurant Paul Bocuseの公式サイトで、メニューを確認することができます。
もちろんレストラン現地で、メニューを見て、熟考するのも楽しいです。
Restaurant Paul Bocuseのスペシャリテ・シグネチャーメニューとしては、3品がよく上げられます。
すなわち黒トリュフのスープ(Soupe aux truffes noires V.G.E.)、”La Volaille de Bresse en vessie « Mère Fillioux »(Volaille de Bresse AOP entière en vessie・ブレス産鶏の膀胱包み)”、そしてLoup en croûte(スズキのパイ包み焼き)です。
このうち黒トリュフのスープ(Soupe aux truffes noires V.G.E.)は、新鮮な黒トリュフの旬に合わせて提供される季節料理のため、冬から早春(11月~3月頃)のみの提供となります。
さらに、ポテトを鱗に見立てたRouget(ヒメジ)の料理や、チーズワゴン、デザートワゴンは、Restaurant Paul Bocuseらしさを体験できる王道メニューです。
2026年4月のメニューは下記の通りでした。ほかにアラカルトメニューもあります。

上の写真には載っていませんが、Menu Tradition、Menu Over Time(menu au fil du temps)の他に、期間特別コースメニュー”Menu du Centenaire” 370 EUROもありました。
コースにするか、アラカルトにするか、非常に悩ましいところ。
Restaurant Paul Bocuseのシェフが考案するコースメニューは、旬を取り入れつつ全体の流れを完璧に調和したもので、文字を目にするだけで美味しそうでうっとり。
対してアラカルトでは、コースメニューには含まれていないシグネチャーメニューを注文することができます。
私たちが希望するシグネチャーメニューは、La Volaille de Bresse en vessie « Mère Fillioux »とLoup en croûte。
どちらもボリュームが多く、そもそも二人でシェアするお料理となっていて、もし2種類とも頼むとしたら、四人分のメインメニューの量を二人で食することになります。
多いか…多いよね…
レストランを訪れる前に、あれこれと迷い、決断したはずが、テーブルに着いたところで、再び思案してしまうことに。
普段はさくっとメニューを決めてしまうのに、美味しそうな品々ばかりで決断力が低下させられてしまいました。
ついに、決定。
今回は、相談に乗ってくれたテーブルスタッフさんのアドバイスをもとに、希望するシグネチャーメニューであるLa Volaille de Bresse en vessieとLoup en croûteを中心としたお料理構成とワインをお願いすることにしました。
Restaurant Paul Bocuseのテーブルスタッフさんは、いずれも穏やかで丁寧で温かな接客でした。
眼鏡の男性、女性、眼鏡無しの男性、さらに若い男性、色々なスタッフさんが、私たちがテーブルについてから離席するまで、静かに流れるように接客と手配をしてくれます。
そのおかげで、終始居心地よく食事を楽しむことができたように思います。
さすがの接客対応に感じました。

テーブルとテーブルの間隔は、広くゆったりとしています。



2)”Loup en croûte “
スペシャリテの一品 “Loup en croûte(スズキのパイ包み焼き)”は、クラシック・フレンチらしい華やかさ。

サイドテーブルで、スタッフさんが切り分けてくれます。
切り分ける美しい所作はさすがです。お料理にわくわくしつつ、所作に見惚れてしまいます。


頭は、頭で別皿に盛り付け。
何だか可愛い。けれど、ザックザックと音を楽しみつつ、遠慮なく美味しくいただきます。

3)”La Volaille de Bresse en vessie « Mère Fillioux »”
こちらもスペシャリテの一品”La Volaille de Bresse en vessie « Mère Fillioux »”(Volaille de Bresse AOP entière en vessie)。
ポール・ボキューズを代表する伝統料理の一つです。
ミシュラン三つ星を獲得した最初の女性シェフEugénie Brazier氏から教わった調理方法で、Eugénie Brazier氏は、リヨンを象徴するレストランMère Brazierの創業者です。
ポール・ボキューズ氏は、見習いとしてMère Brazierに勤めていました。
お料理の外観は、風船のように膨らんでいて、ぼわんぼわんしています。
スタッフさんの触ってみますか?との言葉に甘えて、そっと触れると、意外に強い弾力を感じました。
Bresse AOP(AOPブレス鶏)の美味しさと水分をぎゅっと絶妙な加減で保つクラシックな調理方法だそうです。
とてもおすすめの絶品料理です。


部位により、二回に分けて、配膳してくれます。

コース料理では、メイン料理の後に、チーズワゴンとデザートワゴンが続く流れとなります。
Restaurant Paul Bocuseでは、フランス各地の熟成チーズを、デザートワゴンでは、タルト、ケーキ、ムースなど色々なデザートを、それぞれ好きなだけ選ぶことができます。

テーブルの上にセッティングされていたチョコレートは、最後にお土産としてギフトボックスに入れて渡されます。
フランスの著名なショコラティエであるMaurice Bernachon氏が創業したBernachonは、ポール・ボキューズ氏の娘と結婚したMaurice Bernachonの息子のジャン=ジャックが家業を引き継ぎ、その後彼らの子供たち(Maurice Bernachon氏とポール・ボキューズ氏の孫)に引き継がれています。
傑作ケーキとして知られる”Président”が有名です。

フランス料理界の偉人ポール・ボキューズ氏の哲学と伝統のレシピを大切に受け継ぐだけでなく、さらに新たな創作料理を開拓するRestaurant Paul Bocuseは、まさにポール・ボキューズ氏のように革新と伝統を両軸とする揺るぎない熱意のもと、訪れるゲストを魅了し続けています。
3.リヨン市内にあるBrasserie Paul Bocuse
Paul Bocuse氏は、リヨン市内に1994年にBrasserie le Nordを皮切りに、1995年Brasserie Le Sud – Bocuse、1997年Brasserie L’Est – Bocuse、2003年Brasserie L’Ouest – Bocuseを、四方へ旅するを統一コンセプトに4店舗開店しています。
Brasserie le Nordは、フランス北部を中心とした郷土料理で、シュークルート、ムール貝、牛肉の煮込みなど。
Brasserie Le Sudは、南フランスを中心とした料理で、オリーブオイル、トマト、ハーブ、魚介類など。
Brasserie L’Estは、フランスから東方への旅をテーマにした料理で、フランス東部から東欧の料理など。
Brasserie L’Ouestは、フランス西部から大西洋・カリブ海への旅をテーマにした魚介とエキゾチックな料理。
大まかにこのような特色があります。
Restaurant Paul Bocuse本店より、Brasserieということで4店舗はお手頃な価格帯となっていて、Paul Bocuse氏の料理哲学のまた別の一面を体験できるでしょう。
Paul Bocuse氏ゆかりのグルメスポットとして、訪れたBrasserie Le Sud – Bocuseについては、別記事「リヨン観光の見どころ|世界遺産の旧市街とおすすめグルメスポット」で近日中にご紹介します。
プロヴァンスや地中海沿岸の料理がお好きな方におすすめのBrasserieです。
